「老後資金はいくら必要ですか?」
この質問に、ずっと違和感がありました。
2,000万円問題、3,000万円あれば安心――
数字だけが一人歩きしている気がしていたからです。
本当に知りたいのは、
「いつ」「どれくらい」お金が足りなくなるのか
ではないでしょうか。
なぜ「総額」だけでは不安が消えないのか
老後のお金の問題は、ある日突然ゼロになるわけではありません。
- 子どもの教育費がピークになる年
- 住宅ローンが残っている時期
- 退職後で収入が減ったタイミング
- 医療・介護費が重なり始める年
こうした支出が同じ年に重なることで、家計は一気に苦しくなります。
FP相談でも、実は最初に見るのは
「最終的な資産額」より
「年ごとのキャッシュフロー」です。
特に重要なのは
👉 赤字になる年がいつか
👉 それが何年続くか
FP目線で重要な3つの考え方
① 年ごとの収支を見る
黒字の年は基本的に問題ありません。
問題になるのは、赤字の年です。
赤字が1年だけなら対処できます。
赤字が何年も続くと、資産の取り崩しが加速します。
だからこそ、
「どの年が赤字か」を見える化することが重要です。
② 医療・介護は「平常+山」で考える
医療・介護費を毎年同じ金額で見積もると、現実からズレます。
- 毎年少しずつかかる「平常費」
- ある年にドンと来る「山(入院・施設・重度介護)」
この2つを分けて考えることで、
「総額1000万円/人」といった前提も、無理なく整理できます。
③ 資産は「現金」と「株式」を分ける
生活費を株式の利回りに期待するのは危険です。
そこで資産を分けました。
- 現金:利回り0%、生活防衛資金
- 株式:利回りあり、長期で育てる資産
現金には「最低残高」を設定し、
足りない年だけ株式を売却する仕組みにしています。
これはFPがよく言う
「生活費は利回りを求めないお金で持ちましょう」
という考え方そのものです。
自分で作ったキャッシュフロー表で分かったこと
この考え方をもとに、
教育費・住宅費・医療・介護・年金・資産運用を
すべて年単位で整理しました。
なお、年ごとのキャッシュフローを作る前提として、
別ページで紹介している「ライフイベント表」も併用しています。
このライフイベント表では、
・家族それぞれの年齢
・子どもの進学・卒業
・退職・年金開始
・介護が始まりそうな年齢
・住宅ローン完済など
といった出来事を、年表形式で整理しています。
先にライフイベントを洗い出し、
「この年に何が起こるか」を見える化した上で、
それをもとにキャッシュフロー表へ落とし込む、という流れです。
すると、
- 教育費と老後準備が重なる年
- 介護ピークで一時的に株式売却が必要な年
- 意外と問題なかった年
が、一目で分かるようになりました。
「老後が漠然と不安」だった状態から、
「〇年と〇年がきつい」という
対策できる不安に変わった感覚があります。
FP相談では、結局何をしているのか
正直に言うと、FP相談でやっていることはとても地道です。
- 前提条件を整理する
- 年ごとの収支を確認する
- 危ない年を見つける
- 対策を考える
魔法の数字を出しているわけではありません。
このキャッシュフロー表は、
そのプロセスを自分用に再現したものです。
それでもFP相談が向いている人
もちろん、FP相談が不要というわけではありません。
- 税金・社会保険を正確に詰めたい
- 退職金や年金の受け取り方を最適化したい
- 第三者の視点でチェックしてほしい
こういう場合は、FP相談が非常に有効です。
ただし、
事前にキャッシュフロー表を作っておくと、相談の質は段違いになります。
まとめ
- 老後資金は「いくら」より「いつ」
- 不安は、見えないから大きくなる
- 年ごとのキャッシュフローに落とすと
対策できる不安に変わる
※この記事で使っているキャッシュフロー表は、
教育費・医療・介護・現金・株式をまとめて確認できる
自作のWebツールです。
数字を入れるだけで「赤字の年」が分かるので、
同じように老後資金が気になる方は、ぜひ試してみてください。


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